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記録が語る日航123便墜落事故の真相 : 総集編

テキスト版


❷ 解析者の思考を遮っていた基本的なハードル

目次の二つ目の項目です。
故障解析に当って基本的なハードルがあり、これが原因解明を手こずらしていました。

報告書は科学的合理性を欠いていると明白に指摘できても、では一体真の原因は何かと問われて、指摘する側にノーアイデアであり、対案を出せない空虚な状態が30数年間続きました。

対案が出せなかった理由は、空気の流出が止まることが絶対条件なのに、直ぐに止まるか、又は充分に抑制されるという、都合の良いメカニズムが見当たらなかったからです。

報告書の不合理な結論を苦々しく思いながらも、論理的な対案が示せない限り、単に報告書の結論に納得できないと抗弁するだけでは、事故調説を糾弾できないという空虚な状態が長らく続きました。

私は空気の流れが止まるメカニズムを、ラムネ瓶と封じ込まれたビー玉の関係に見つけました。丸いビー玉は自身の外周を飲み口内側の壁に密着させて炭酸ガスの漏れを防いでいます。

胴体の後部形状が後方に向かって直径がしぼんでおり、圧力隔壁に圧力がかかったとき隔壁自体が後方にずれて吹き破れることはありません。つまり空気漏れを抑制する方向に作用します。この気付きは一瞬にして私の中に空虚状態の解消をもたらしました。

竺川説は圧力隔壁の外周部と外板の間が一部剥離して隙間を生じて空気漏れが発生したが、直後に塞がって空気漏れが止まったか、又は充分に抑制された状態になったと結論付けています。

報告書の図面データから推察した隙間が生じた箇所は、客室乗務員によって確認された右側最後部のR-5ドア上付近の天井破壊位置に符合します。この符合は最後に図面を使って詳しく解説します。